私は現在、大型トラック運転手として働いています。
月収は額面で約25万円。そこから社会保険料や税金などが引かれて、手取りは約20万円です。
自分で言うのも何ですがなかなかの低賃金で雇用されているなと思っています。。。
それはさておきふとこんな疑問が浮かびました。
「60年ほど前のトラック運転手と比べて、今の自分は本当に豊かになっているんだろうか?」
1964年といえば、東京オリンピックが開催された年。日本は高度経済成長の真っただ中でした。
今回は、1964年ごろの運輸業で働く人と、2026年に大型トラック運転手として働く私の給料や生活費を比べてみます。
先に言えば、給料の金額だけでは、どちらが豊かかは判断できません。 大切なのは、その給料でどんな生活ができるのか、ということです。
※この記事は、1964年ごろの運輸・通信業の賃金や家計についての概算と、現在の私の給与を比較したものです。同じ地域・職種・世帯条件をそろえた厳密な比較ではありません。また、生活費は比較用の目安であり、2026年の年間統計の確定値ではありません。
1964年ごろの月収は約4万円。現在の私は25万円
今回、1964年ごろの運輸・通信業の月収は、約4万〜4.5万円という仮の目安を置いて考えます。
今の感覚では、「月4万円で生活できたの?」と思ってしまいます。
しかし、当時と今では物価も生活の中身も違います。金額だけを見て、暮らしが苦しかったかどうかを判断することはできません。
一方、現在の私の月収は次のとおりです。
- 額面:約25万円
- 手取り:約20万円
額面同士で比べると、約5.6〜6.3倍。おおよそ6倍です。
ただし、給料が約6倍になったからといって、生活の余裕まで約6倍になったわけではありません。
生活に必要なお金も、合わせて見ていく必要があります。
1964年と2026年の給料・生活費を比較
地方で家族と生活することを想定し、原稿で置いた生活費の目安を並べると、次のようになります。
| 項目 | 1964年ごろの概算・想定 | 2026年の実額・想定 |
|---|---|---|
| 月収・額面 | 約4万〜4.5万円 | 約25万円〈私の実額〉 |
| 手取り | 当時の控除額が不明なため比較せず | 約20万円〈私の実額〉 |
| 食費 | 約1.3万〜1.7万円 | 約7万〜9万円 |
| 住宅費 | 約1,000〜4,000円 | 約5万〜7万円 |
| 光熱費 | 約2,000円 | 約2万〜2.5万円 |
| 車関連費 | ほぼ0〜数千円 | 約3.5万〜5万円 |
| 衣類・日用品 | 約4,000〜6,000円 | 約1.5万〜2万円 |
| 通信費 | 数百円程度 | 約1万〜1.5万円 |
| その他 | 約7,000〜1万円 | 約2.5万〜4万円 |
※給与以外は、私の実際の家計簿ではなく比較用の想定です。世帯人数、持ち家か賃貸か、車の有無などによって大きく変わります。特に住宅費は、住まいの条件をそろえないと単純に比較できません。
この表の2026年の生活費を合計すると、月約22.5万〜31万円になります。
この想定なら、私の手取り20万円だけでは足りません。
もちろん、すべての家庭がこの金額になるわけではありません。それでも、家族の生活費を一人の給料でまかなう難しさを考える材料にはなります。
給料の上昇と「生活の余裕」は別の話
昔と今を比較するときに気をつけたいのは、生活費の増加をすべて物価上昇として扱えないことです。
家族の人数も、住宅の設備も、使うサービスも変わっています。
たとえば、現在の家計にはスマートフォンやインターネットの費用があります。車を持つかどうかでも、必要なお金は大きく違います。
そのため、支出が増えたというだけでは、昔より貧しくなったとも、豊かになったとも言い切れません。
ただ、私自身の暮らしを考えるときには、「給料が昔の何倍か」よりも、生活費を払ったあとにいくら残るかのほうが切実です。
地方の生活で重く感じる「車の維持費」
今の地方暮らしで、大きな負担になりやすいのが車です。
通勤や買い物のために、車が欠かせない地域もあります。
車を所有すると、購入費以外にもさまざまなお金がかかります。
- ガソリン代
- 自動車税
- 任意保険料
- 車検費用
- タイヤやオイルの交換費用
- 修理代
- ローンの返済や駐車場代
書いている間頭が痛くなってきました。
毎月払うものだけでなく、車検などのまとまった支出も、月々の負担として考える必要があります。
仮に車関連費が月3万〜5万円なら、手取り20万円に対して**15〜25%**です。
生活に必要だからこそ、簡単には削れない。この点が、地方で暮らす私には重く感じられます。
額面25万円でも、生活に使えるのは20万円
私の場合、額面と手取りには約5万円の差があります。
健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税、住民税などが差し引かれるためです。
もちろん、年金や健康保険には、暮らしを支える役割があります。
それでも、毎月の買い物や家賃の支払いに使えるのは、額面の25万円ではなく、手取りの20万円です。
スーパーで「額面では25万円あります」と言っても、買えるものが増えるわけではありません。
家計を考えるときの出発点は、実際に使えるお金がいくらあるか。
これは、昔と今を比較するときにも大切な視点だと思います。
なお、1964年当時にも税金や社会保険料の負担はありました。当時の手取りを確認せずに、月収の全額を生活に使えたと考えることはできません。
食費だけでは見えない、毎月の支払いの重さ
今回置いた1964年の家計の目安では、食費が大きな割合を占めています。
一方、現在の私が感じるのは、食費に加えて、毎月続く支払いの重さです。
家賃、車のローン、通信費、保険料。さらに、使用量によって変わる電気代やガス代も必要です。
一つひとつは理由のある支出でも、積み重なると、自由に使えるお金は少なくなります。
節約しようと思っても、すぐには減らせない支出が多い。
これが、給料をもらっても生活が楽になったと感じにくい理由の一つなのかもしれません。
※ここでいう生活費は、手取りから支払うお金です。給与からすでに引かれた税金や社会保険料を、生活費としてもう一度差し引くことはしません。
結局、1964年と2026年ではどちらが豊か?
今回の比較だけで、「昔のトラック運転手のほうが豊かだった」と結論づけることはできません。
当時の運輸・通信業の給与の目安と、現在の私個人の給与では、比較する対象が違います。労働時間や賞与、家族の収入、住宅事情などもそろっていません。
また、豊かさには、お金以外の面もあります。
スマートフォンで連絡が取れること。エアコンのある部屋で過ごせること。日々の暮らしが便利になったことも、豊かさの一部です。
それでも、便利な生活と、家計に余裕のある生活は、必ずしも同じではありません。
大型トラックを運転して、額面25万円、手取り20万円。
この収入で生活費を払い、貯金をし、急な出費に備える。そう考えると、給料の数字が昔より大きいだけでは、安心できないのが正直な気持ちです。
まとめ|豊かさは「その給料でどう暮らせるか」で考えたい
1964年と2026年の給料や生活費を並べてみて、私が感じたのは次のことです。
- 給料の金額だけでは、暮らしの豊かさは比べられない
- 家計を支えるのは、額面ではなく実際に使える手取り
- 住宅費や車関連費など、簡単に減らせない支出が生活の余裕を左右する
- 昔と今では生活条件が違うため、どちらが豊かかを単純には断定できない
「昔は給料が安かったから、今より貧しかったはず」
最初はそう思っていましたが、生活費まで考えると、それだけでは語れませんでした。
私にとって大切なのは、給料が昔の何倍になったかよりも、必要な支払いを終えたあとに、安心して暮らせる余裕が残るかどうかです。
豊かさは、給料の金額だけでは分かりません。
「その給料で、どんな生活ができるのか」
これからも、その視点で自分の働き方と暮らしを考えていきたいと思います。
数値と比較について
この記事の1964年の給与・生活費は概算であり、地方の大型トラック運転手の実態を直接示す確定値ではありません。2026年の給与は筆者本人の実額、生活費は比較用の想定です。
歴史的な数値の根拠を確かめるには、厚生労働省の賃金統計、総務省の家計調査、日本銀行の物価関連統計、自動車普及に関する資料などについて、対象年・地域・世帯条件を確認する必要があります。本稿では、個々の数値に対応する統計表や出典URLまでは示していません。

